トレーニングのすすめ

3日間のお休みをいただきました。この間、W杯サッカーの乱痴気騒ぎもようやく収まりつつあり…。虎のAクラスも風前の灯……ここ十年来の定位置に落ち着きつつあります。

この間、Web Masterが、ラグビー活性化についての持論を展開しました。
目新しい視点から述べられており、たいへん興味深く、読み応えがありました。
また、機会があったらチャレンジしていただきたいと思っています。

今シリーズは、トレーニングについて考えてみたいと思います。その意義、目的、方法などを研究してみました。日本体育大学(陸上競技)の佐々木教授から教わった内容をもとに、編集してみました。佐々木教授は1964年東京五輪100m決勝のスターターを務められた先生であったと記憶しています。勉強不足の域を脱しません。忌憚のご意見、ご指導をお願いいたします。


@トレーニングの意義

トレーニングとはいったい何なのでしょう。何のために、キツイ思いをして行うのでしょう。
トレーニングとは、身体運動や社会環境に対する身体の適応性を生かして、身体の機能を可能な限り高レベルに発達させようとする行為を指すようです。
ほんの一寸の身体運動でも、息が速くなったり、心臓がドキドキすることがありませんか。これは、少しの距離を車で移動したり、2Fまで昇降機で上がるような、ナマケモノのオジサン・オバサンに見られる現象です。是非とも、今日からは、しっかりと運動に親しんでください。
人間の身体は妙なもので、運動を長い間繰り返し行っていくと、呼吸や心拍数が前ほどは増加しないようになります。このように、人間には新しい状態に自然と順応する能力が備わっています。この作用が身体の適応性といわれます。
身体運動を行うと身体器官や組織は、運動に応じたはたらきを示します。たとえば、運動中の呼吸数や心拍数は、安静時よりもはるかに高い数値を示します。これは、より多くの酸素を必要とするためであり、その必要量を充足させるために、呼吸・循環器系のはたらきが高められるためなのです。
また、重量物を運搬しようとして、力を出そうとすれば、運動神経からの信号で強い刺激が筋組織に送られるため、多くの筋繊維が活発に動き出し、筋肉がより強い力を発揮するようになるのです。
せっかく、身体器官や組織の活動の高まっても、身体運動を止めればすぐにもとの状態に戻ります。これを規則的にかつ周期的に反復していくと、身体器官や組織はより高レベルの機能に発達していきます。このように、身体が新しい状態に対応できるように変化していくことを適応というようです。
運動によって、身体の適応を効率よく引き出す人為的な行為がトレーニングであり、身体に生じる機能的・形態的伸長がトレーニング効果といえます。
正しく、適切なトレーニングによって体力が高まれば、行動そのものが活発になり、その結果、疾病や怪我の予防につながります。
競技スポーツなど人間特有の文化的活動は、トレーニングによって必要な技能や体力を高め、質的向上をはかることができます。
効率のよい体力トレーニングの方法を模索することは、文化的行動を習得し、体力という自己の持つ能力の限界に挑戦し、人間らしく創造的で有意義な生活を送るために、たいへん重要な意義を持っているといえます。

Aトレーニングの目的

トレーニングには、健康を保持増進させる目的で行うものと、競技スポーツにおいて、競技力を向上させる目的で行われる二つの目的があるようです。
ここでは、それぞれのトレーニングの目的を考えてみたいと思います。

【健康の保持増進をめざすトレーニング】
日ごろの運動不足や社会の急激な変化にともなうストレスを解消させ、精神機能と身体バランスを正常に保持するためのトレーニングといえます。
無理なく、規則的に実施すると、心身の機能がバランスよく正常に保たれ、健康の保持増進に大いに役立つことでしょう。無理なく、軽い運動を比較的長い時間、習慣的に行うのが効果的なトレーニングにつながるのでしょう。
代表的なトレーニングには、Walking、Jogging、Aerobicsなどの有酸素運動が挙げられます。このほかにも、さまざまな軽スポーツやトレーニングマシンを使っての運動も有効であるといえます。
健康を保持増進させるためのトレーニングは、健康状態や個々の体力レベルや日ごろの生活状況に応じて、無理なく、楽しく継続することが大切であるといえます。

【競技スポーツにおける、競技力を高めるトレーニング】
競技大会に出場して、勝負を競い合う競技スポーツに必要な体力(フィットネス)を養成するためのトレーニングといえます。
競技力を高めるトレーニングでは、競技者として必要な基礎体力を増強させるトレーニングに加えて、専門種目特有の体力を局所的に強化するトレーニングが必要不可欠であるといえます。
基礎体力強化を全面的トレーニングと呼び、その目的は、筋力、持久力、スピード、パワー、調整力などの体力要素をバランスよく、まんべんなく鍛錬して、基礎体力を増強させることにあります。
専門種目特有の体力強化を専門的トレーニングと呼び、専門とする種目の特性に応じて行われます。一口に陸上競技といっても、マラソンのように競技時間が長い種目では、呼吸、循環器系の働きを高める持久力トレーニングが大切になってくるでしょうし、砲丸投げや棒高とびなど、瞬発力などの一瞬の動きが勝負を左右する種目の選手にとっては、筋力や瞬発力のトレーニングが重要になってくるのです。
ラグビーではそのポジションに応じて、専門的トレーニングが施されます。FWの選手は相手と激しくぶつかり合う機会が多く、強い筋力が求められます。いっぽう、BSの選手は相手をすばやく抜き去りながら前進するプレーが随所に現れますので、スピードが求められるのです。
このように、トレーニングはそれぞれの目的や状況に応じて行う必要があるのです。方法や理論は多種多様ですが、要は行う人が真剣に、かつ継続的に取り組む以外には、期待する効果は現れないということでしょうか。

Bトレーニング効果をあげるために

トレーニングをすると、体力は確実に高まります。ただし、漠然と行ってもトレーニング効果は期待できないでしょう。トレーニングが身体に適切な刺激として有効に働いた場合に限られます。
そこには、二つの大原則が関係しています。
「トレーニングによって、新しい適応を身体にもたらそうとするのであれば、現在の体力レベルより、さらに高い運動刺激を身体に与える必要がある。」
これが、過負荷の原則といわれます。要するに、トレーニングに用いる運動は、通常の生活で発生する運動よりかなり強いものでなければならないということです。
「トレーニング効果の現れかたは、そのトレーニングの種類によってそれぞれ異なる。」
これを、特異性の原則といいます。強い負荷をかけて筋力を発揮させることによって筋力が増強されますし、持久力は継続的な持久力トレーニングによって高まっていくのです。
したがって、有効なトレーニング効果を得るためには、個人の体力や強化目標部位に応じて、適切なトレーニングを行う必要があります。
最初はややキツイと感じるトレーニングでも、継続的に反復して頑張ると、身体はしだいにその負荷に順応していきます。これをトレーニング効果とよびます。
トレーニング実施にあたっては、目的、体力レベル、健康状態、生活環境などを慎重に検討したうえで、もっとも適したトレーニング種目を選択し、強度、期間、頻度を決定します。これを、トレーニング処方とよびます。
プログラムの作成と実施にあたっては、下記に示す、「トレーニングの5原則」を遵守する必要があるようです。

【トレーニングの5原則】
【意識性】トレーニングの意義をよく理解し、明確な目標を定めて積極的に取り組もう。
【個別性】個々の体力差をよく理解し、個人の特徴に応じたトレーニングに励もう。
【漸進性】体力の向上にともない、しだいにトレーニングのボリュームを高めていこう。
【反復性】規則正しく、反復しよう。
【全面性】バランスを保ちながら、全面的な体力向上を目指そう。

さあ、自分で目標を設定して、トレーニングプランを立ててみましょう。

Cトレーニング効果の確認と修正

安全で、かつ効果的なトレーニングを行うには、次のような手順で計画的に、無理なく進めていくことが大切なことといえます。

【健康状態の確認】
医師によるメディカルチェックを受けて、まず、身体が健康な状態であるか、さらに、トレーニングを行うことが可能な状態にあるかを確認する必要があります。とくに、長距離走などのように、呼吸・循環器系に過度の負担がかかる恐れがあるトレーニングを行う場合には、細心の注意を要します。

【自己の体力を知る】
自分の体力に応じたトレーニングプログラムを作成するために、体力測定によって、体力レベルを明らかにする必要があります。測定の内容は、トレーニングの目的や実施しようとする人の体力レベルに応じて決定することが大切であるといえます。

【トレーニング目的の明確化】
トレーニングの目的が何なのかを明確にする必要があります。「健康の保持増進」のみでよいのか、「競技力向上」なのか、「筋力・持久力を高める」目的があるのか。あるいは、「体力を全面的に高める」のかなど、トレーニングの目的を明確にしないと、期待する成果があがることはないでしょう。
一定期間ごとに達成目標を定めて、綿密なスケジュールを立てて臨みます。

【トレーニング内容の決定】
トレーニングの目的に応じて、もっとも適したエクササイズを選びます。

【トレーニングの具体的な実施方法の決定】
運動強度(Joggingのスピード、ダンベル・バーベルの重量など)、運動時間(Joggingの継続時間、ダンベル・バーベルを持ち上げる回数など)、運動頻度(週あたりの実施回数など)を無理のない範囲で決定します。

【トレーニングのスタート】
トレーニングの5原則にしたがって、6〜8週間は同じ内容のトレーニングを続けてみます。定期的に身体の状態を細かくチェックします。疲労が蓄積したり、身体に異常が認められる場合は、運動強度、運動時間を軽減したり、健康診断を受けるなどして、速やかにその原因をチェックして、プログラムを修正します。トレーニング効果が順調に現れて、体力が高まってくると、当初設定したプログラムでは不十分なことが発生します。その場合は、過負荷の原則にしたがって、運動負荷を上方修正します。トレーニングの効果を正確に把握するためにも、体力テストや健康診断を定期的に行うことが肝要になります。
トレーニングは正しい方法と手順で行うことが大切であることはいうまでもありません。結果を急いで、無理なプログラムで実施すると、効果が薄れるばかりか、身体に障害を発生させる要因にもなりかねないものといえます。

D筋力を高めるために

走る、跳ぶ、投げるといった基本的な運動から、指先の微妙な表現まで、すべての身体運動は、骨格筋が収縮することによって発生する筋力によって成り立っています。
人体にはたくさんの骨格筋があり、そのほとんどは、複数の関節をまたいで、異なる骨格にくっ付いています。そのため、筋肉が収縮すれば、関節を中心にして、骨格が引き寄せられるようにして動く
ことになるのです。
すべてのスポーツ活動の原動力となる筋力の強さは、筋肉を構成する筋線維の強さが合わさったもので、筋肉の太さと密接な関連があります。
筋力を高めるトレーニングを継続して行っていくと、筋線維の肥大とともに、パワーを発揮するため実際に収縮する筋線維の数量が増加し、より強いパワーが発揮されるのです。
骨格筋の収縮には、いくつかのパターンがありますが、その代表的なものに、筋肉が長さを変えないで力を発揮するアイソメトリック(等尺性)収縮と筋肉が長さを変えながら力を発揮するアイソトニック(等張性)収縮とがあります。
ここでは、筋力を効率よく高める二つの方法である、
●筋収縮を静的に行う、アイソメトリックトレーニング
●筋収縮を動的に行う、アイソトニックトレーニング
のトレーニング方法を研究してみましょう。

Eアイソメトリック(静的)トレーニング

トレーニングジムに通ったり、特別なマシーンなどを必要としないので、家庭でも手軽に行うことができます。このトレーニングは、上肢や下肢などを動かさない状態で筋力を発揮させるので、静的トレーニングとも呼ばれます。
ラグビーの試合、スクラムを組み合った姿勢から、「Ready Go!!」の掛け声のもと、一斉にプッシュをかけるパワーを高めたい場合には、とても効果的なトレーニングといえます。
このトレーニングでは、その時の関節角度で最大のトレーニング効果が期待できるので、あらゆる場面の静止姿勢や、動きの中の特定の姿勢で発揮する筋力を高めたいときは、その姿勢と同じ関節角度で行うことが大切になります。一般的には、関節角度を限定しないで、さまざまな角度で行うと、バランスのよい筋力アップが図られることになるでしょう。
家事の片手間に、家庭内でも簡単にできる方法としては、両手を組んで、引いたり押したりする方法や、スリコギや浴衣の帯など、伸縮しないものを引っ張ったり、柱や壁を押したり、引いたりすることによっても、筋力アップが期待できます。
このトレーニングの特長は、運動強度が強ければ、エクササイズの時間はごく短くても、充分な効果が得られることにあります。全力で7秒間ほど頑張り続け、ある程度の休息をはさみながら、数回を繰り返す方法が適当であるといえます。

Fアイソトニック(動的)トレーニング

一定重量の負荷を用いて、それを筋肉の発揮する力が動かすことにより、筋力アップを図るトレーニングです。上肢、下肢ともに動かしている状態で筋力を発揮させるので、動的トレーニングと呼ばれます。スポーツでは、いろんな動きの中で筋力を発揮するシーンが多いので、このトレーニングがよく用いられます。
アイソトニックトレーニングの場合、動きの種類やスピードを工夫することが大切であるといえます。バーベルなどのフリーウェイトでは、マシーンを用いる場合と異なり、さまざまな動きが可能となりますので、どの動きで、どの筋力を強化するねらいがあるのかを考える必要があります。
このトレーニングでは、バーベルなどを用いることにより、個々の筋力に応じて、負荷を自在に決められるという利点がありますが、スピードの違いにより、筋肉にかかる力は大きく変化していきます。
スピードを上げると、筋肉にはそれなりの大きな力が加わるということです。トレーニングのペースを考えて行うと、さらに効果的な筋力アップが図られるでしょう。
専門的なトレーニングジムに通わずとも、工夫しだいで、このトレーニングは可能です。近くの小学校の校庭にある鉄棒でのけんすい腕屈伸や、片足支持のひざ屈伸、また、父ちゃん(母ちゃん)を背負ってのスクワットなどのように、自分やパートナーの体重を利用することができます。
アイソトニックトレーニングの運動強度は、最大反復回数で知ることができます。
効果的にトレーニングを進めるには、最大反復回数が10〜15回となるような、比較的重い負荷でのトレーニングが必要でしょう。休息をはさんで、数回繰り返す方法が適当であるといえます。
最大反復回数が20回を越えるような負荷では、筋力よりも、筋持久力の向上に役立つトレーニングとなるので、適正な負荷の選択が重要になります。

G瞬発力を高めるトレーニング

W杯も、王国ブラジルの5度目の優勝で幕を閉じました。ロナウド、リバウド両選手の球に対する反応が、勝負を決したようです。それ以上に、他選手を圧倒していたのが、一瞬のタイミングを狙って、
放たれる強烈なシュートでした。
100分の1秒を競う、スピードスケート500mや陸上競技100mのスタートでは、瞬間的にスターターに反応することが、大きく勝敗を分けます。
このように、強い筋力を瞬間的に発揮させる能力を瞬発力と呼んでいます。ほかにも、テニスのサーブ・スマッシュ、投擲、跳躍など、よい結果・記録が出せるかどうかは、この瞬発力の発揮能力に大きく左右されます。
いかに、筋力が強い競技者であっても、筋収縮のスピードが速くなければ、より高く・長く跳躍したり、強烈なスマッシュやシュートを放ったり、ロケットスタートをきることはできません。このように、スポーツのあらゆる場面で、瞬発力がたいへん重要な役割を果たしているのです。
瞬発力のトレーニングでは、意識して、一回一回のエクササイズをできる限り速く、瞬発的に行いましょう。全力でのジャンプやショートダッシュ、あるいは、メディシンボールを放り投げるエクササイズなどは、たいへん有効なトレーニングであるといえます。
バーベルやダンベルを使用する場合、20〜50回反復可能な負荷重量(最大筋力の30〜50%)で行います。15〜20回のすばやい反復運動を1セットとして、充分なレストを間に入れて、数セット繰り返します。
瞬発力に含まれる力と速度の要素は、スポーツの場面場面によって異なります。
相手を一瞬にして抜き去る使命があるTBプレーヤーは、力より速度の要素が重要となり、スクラムやモールで相手を押し込むFWプレーヤーは、速度より力の要素が重要となってきます。
したがって、どのような速度と力の発揮条件で、トレーニングを実施しているのかを考えた、負荷条件で行う必要があります。
瞬発力のトレーニングでは、スタート時にかなり大きな抵抗が筋組織にかかってくるでしょう。より安全で、かつ効果的にトレーニングを行うためには、コントロール可能な運動条件からスタートして、しだいに負荷を高めていくことが大切であるといえます。

H柔軟性を高めるトレーニング

身体の柔軟性は、関節の構造のはかに、筋肉、腱、じん帯などが関係しています。あらゆる角度に関節を大きくゆっくりと曲げ伸ばしするストレッチングを行うと、柔軟性を高めることができます。
ストレッチングのうち、弾みや反動を使って行うなど、動きをともなうものを動的ストレッチングと呼びます。
相撲部屋の朝稽古、古参力士が寄って集って新弟子を泣かせる「股割」がこれにあてはまります。
動的ストレッチングでは、反動を利用したり、パートナーに背中を押してもらったりして、無理な力がかかり、筋肉、腱、じん帯などを負傷する恐れがあります。とくに、ウォーミングアップとして行う場合は、限界を越えて無理やり押すといったことは、絶対に避けなければなりません。
これにたいして、目的とする筋肉をしだいに伸ばしていき、「もはやこれまで」いうところで、20〜30秒間その姿勢を維持して行うものを静的ストレッチングと呼びます。
近年では、より安全で、苦痛もなく行えるので、この静的ストレッチングが一般的に用いられているようです。静的ストレッチングでも、限界を越えて伸ばすと、筋組織を負傷する恐れがあるので、「じわ〜」と伸ばしていくのが大切なことでしょう。
柔軟性が高まっていけば、関節の可動範囲が広がり、いろんな動作がスムーズに行えるようになるでしょう。あわせて、肉離れや筋断裂などの怪我予防にも、大いに役立つことになります。

I調整力を高めるトレーニング

身体の調整力とは、神経系の働きによって、運動中の姿勢を調節してバランスを保ったり、動作を巧みに、さらには、機敏に行う能力といえます。
筋力、瞬発力、持久力、柔軟性をバランスよく組合せ、動作を適正に調整するのを、神経系がつかさどります。動作を指令したり、コントロールする中枢神経(脳・脊髄)と、そこからの指令や感覚を身体各部に伝導する末梢神経(運動神経・感覚神経)が大きな役目を担います。
このような神経系の働きによって、バランスを調整し、運動をすばやく、うまくこなすことができるのです。
調整力のトレーニングとしては、その目的に応じて、これらの要素を重点的に強化したい運動に取り入れればよいのです。
合図にすばやく反応して、ダッシュやターンを行ったり、ミニハードルをすばやく跳び越していくエクササイズは、敏捷性を高めるのに効果的なトレーニングといえます。
ラグビーでは、瞬時に相手の動きに反応しなければならない、デェフェンスの強化に役立つでしょう。
倒立や回転などを取り入れたトレーニングは、バランス感覚の向上に必要不可欠なものでしょう。
このほか、調整力を高めるためには、力の発揮や動作のタイミングの正確性を求めるエクササイズなども取り入れていく必要もあるでしょう。
日ごろの動作や、スポーツ活動で、動作のリズムやすばやさ、バランス感覚力を高めることになるでしょう。

J持久力を高めるために

運動を長時間にわたり継続できる能力を持久力と呼びます。一般的には、「スタミナ」という表現を用いることもあります。
腕立て伏せい・懸垂(上腕筋)や上体おこし(腹筋)などのように、身体のある特定の筋肉を駆使した運動を、長時間継続させるためのものを、筋持久力と呼びます。
いっぽう、マラソンに代表される長距離走のように、全身の筋肉を駆使した運動を、長時間継続させるためのものを、全身持久力と呼びます。筋持久力、全身持久力ともに、活動している筋肉への酸素供給量が、大きな鍵をにぎっているようです。
●筋持久力を高めるトレーニング
●全身持久力を高めるトレーニング
について、その効果的なトレーニング方法を研究してみましょう。

K筋持久力を高めるトレーニング

筋持久力を高めるには、最大筋力の60%以下の負荷をかけ、できるだけ回数を多く反復して、筋力が力を発揮している時間をできるだけ長く保つと、高いトレーニング効果が得られるようです。
バーベルやダンベルを用いる場合、連続して20回以上の反復が可能な負荷を用いて、軽快なテンポでリズミカルに行いましょう。
道具がそろっていなくとも、低鉄棒での斜懸垂や腕立て伏せ、上体そらしによる腹筋運動なども、筋持久力を高めるには、格好のエクササイズといえましょう。
トレーニングを継続していくと、筋組織の毛細血管が飛躍的に増加していきます。
この段階まで達すると、筋組織にさらに多くの酸素が取り込まれ、運動の継続に必要不可欠なエネルギーがより多く生み出されて、筋持久力が高まっていくのです。

L全身持久力を高めるトレーニング

全身持久力を効果的に高めるには、jogging,Swimming,Aerobicsなどのように、全身をくまなく使うエクササイズが適しているでしょう。
これらの運動により、酸素の摂取と運搬にかかわる、呼吸・循環器系の機能が活発になり、強化されるようです。
全身持久力を、効率よく高めるには、最大酸素摂取量の40%以上の強度で運動することがのぞまれます。実際は、強度と時間との組合せによるプログラムをもとに、トレーニングを行います。
運動強度の設定は、心拍数から推定することができます。およそ120〜150/分程度の心拍数が、最大酸素摂取量の50%前後の運動強度といえるでしょう。
全身持久力のトレーニングには、持続トレーニングとインタバルトレーニングが用いられます。
持続トレーニングは、心拍数120〜150/分程度の運動強度を保ちながら、20〜30分の間、運動を持続させるトレーニングです。
インタバルトレーニングは、運動と不完全休息を交互に繰り返すトレーニングです。
急走期の心拍数を180/分程度まで高め、緩走期に120/分程度まで落とし、これを繰り返します。
かつては、マラソンに代表される、長距離走選手の専門的トレーニングとして用いられていましたが、現在では、いろんな競技種目のトレーニングとして、広く行われています。
持久的なトレーニングを行うと、心肺機能が強化され、毛細血管が発達して筋血流量が増加するので、酸素を取り込む能力が高まります。
このように、呼吸・循環器系の機能が高まると、酸素供給能力がアップし、長時間にわたるエネルギー供給が安定していくのです。

M総合的な体力アップをめざして

青少年期においては、筋力・瞬発力・持久力・調整力などの体力をバランスよく、総合的に高めていくことが、望ましいことであるといえます。
一般的に用いられているのが、サーキット(循環)トレーニングと呼ばれるものです。このトレーニングは、休息をはさまずに、いろんな種目の運動を循環(サーキット)して行うという特徴をもっています。
このトレーニングでは、6〜12種目の運動を状況に応じて選び、それをまとめて1Rとして行います。1種目の反復回数は、個々の体力によって異なりますが、一般的には、30秒間で可能な反復回数の
50%程度を設定します。
全身をバランスよく、まんべんに鍛えることが大切であるので、基本的には同じ部位の筋肉を連続して、使わないように組み合わせた1Rのエクササイズを、一気に3R消化します。
徐々に筋力が強化され、3Rを消化する所要時間が大幅に短縮されるような効果が現れた場合には、運動回数を増やしたり、組合せを変えてレベルアップを図ります。
サーキット(循環)トレーニングは、組み合されるさまざまな運動効果により、筋力・瞬発力・持久力・調整力などの調和のとれた発達を可能にします。
このような総合的な体力向上は、青少年期における基礎的な体力つくりや、健康の維持向上に欠かせないものといえるでしょう。【了】


2週間にわたって、「トレーニングのすすめ」なるものを研究してみました。「言うは易し、行うは難し」のトレーニングではありますが、無理をせずに、できることから始め、やがては本物に近づいていくのが理想といえましょう。まさに、「継続は力なり」なんですね。

春のシーズンを経て、夏の鍛錬期に入ってきました。怪我人も順調に回復しつつあります。
8月11日〜16日の菅平で、自分たちのラグビースタイルを確立させ、秋の本番に臨みたいと張り切っています。目指すは「ALL OUT」。すべてを出し切る、充実した夏にしたいものです。